せっかくのいいお天気に、うす暗い喫茶店へ行きたい日もある。
晴れ晴れとした雲ひとつない青空が恨めしく感じるほどには、なんだか疲れていた。いつもは晴れた空が愛おしくてたまらないのに、心が曇っているとどうにも居心地がわるい。
そんなときに見つけた、駅近くにある喫茶店。そういえば3年前に来た時に入れなかった店だ。
12時になり、店のシャッターが開くのを見計らって、地下の扉へ続く階段を降り、おそるおそる扉を開ける。
昼なのに、真夜中のバーのような空気が漂っていた。開店一番乗りでカウンターへ座り、しばし物思いに耽る。
常連らしき夫婦や、ふらっと立ち寄ったサラリーマンが静かなひとときを過ごしにやってきては、読みかけの本を開いてコーヒーを嗜む。わたしはといえば、ギャラリーのような気品漂う店の雰囲気にうっとりと酔っている。
先の見えない状況、不安が蔓延する世の中。ハラハラとする気持ちはいつしか穏やかな心を蝕む。
ひっそりと落ち着きたい。そんなときは昼間よりも夜が落ち着く。太陽の日差しから逃げたくなる。こういうとき、きっとお酒が飲める人はバーへ行くんだろうな。昼間ならば、こんな喫茶店でひとときを過ごすのがきっといい。20代の頃、よく通っていた下北沢の喫茶店のことを思い出した。
大人だからこそ楽しめる、至福のひとり時間。
今日は五反田の〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉へ。
純喫茶で東京をめぐる 五反田〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉店舗外観
純喫茶を通して東京をめぐる企画を始めます。今までも〈かもめと街〉では喫茶店巡りをご紹介していましたが、企画としてまとめるのもわかりやすくていいかなと。
ということで、今回訪れたのは五反田。台湾の朝ごはん専門店へ行った帰り、どこか静かな喫茶店へ入りたくて見つけました。JR五反田駅のホーム向かい側、少し奥まった場所にあるせいか、駅から約1分の場所とはいえのんびりした雰囲気。
手書きの看板も味があって素敵。店名、なんて読むんだろう?って思ってたのでカタカナ表記ありがたい。
地下へ続く階段を下ります。
純喫茶で東京をめぐる 五反田〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉店内
入口の前にベンチがある!まるで待合室のような趣き。ここでひとやすみしたくなるな…
重たいガラスの扉の向こうに見えるカウンターの美しさにうっとりしつつ、扉を開けました。
明るさを抑えたオレンジ色の間接照明。ずらりと並ぶティーカップ。小窓の奥に続く、ちいさな小部屋。
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今日はひとりだったのでカウンターへ。テキパキと動く、マスターの無駄のない動きが美しく、いつまで眺めていても飽きません。
純喫茶で東京をめぐる 五反田〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉メニュー
今回選んだのはウィンナーコーヒー。なめらかな口あたりの生クリームがたっぷりで、コーヒー自体も甘めなのがうれしい。小腹が空いた方はミニサンドなどもありますよ。
アイスカフェラテはカクテルグラスで出されて、ミルクとコーヒーが2層になっているメニュー。この日は寒くてホットを選んだけど、次はアイスカフェラテの美しさを楽しみに伺おうと思います。
純喫茶で東京をめぐる 五反田〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉店舗情報
五反田〈CAFÉ TOUJOURS DÉBUTER カフェ トゥジュール デビュテ〉
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