ブックバーひつじが シモダさんへ
先日は文学フリマ福岡、おつかれさまでした!大盛況だったみたいですね!
そして、ひつじがZINEセットを買わせていただきありがとうございました。一気に読んじゃいました。
前にこの連載でも話題に上がった、「本屋の人が出す本は最高だ」説なんですが、『ひつじがの自我〜濾過版』も最高でした。シリアスのお面をかぶったコメディアン感溢れる文章が好きだなーと。
起きてる出来事はハードなのに、これをおもしろおかしく書いちゃう(もちろん誰かに迷惑をかけない範囲で)みたいなスタンスがいいですよね。なんか、自分の好きな人たちって、「こういう人だ」って掴もうとするとスルッと逃げていくイメージの人が多くて、シモダさんのZINEにもそれを感じました。……ネタバレせずに言及できてるかな?
前回のお手紙でも全部読んでみたい作品ばかりの紹介、ありがとうございました。お酒が弱いのでゴールデン街は行ってみたいと思いつつ、足を踏み入れられてない場所のひとつです。なんか、キャラ濃い人に触れると、恐怖と共にどこかでホッとするようなことってありませんか。まあ困った人の場合もあるから一概には言えないですけど。みんなどこか変なところ持ってるから大丈夫だな、みたいな。
先に越された!みたいなZINEもありますよね。でも近しい企画だとしてもやる人によって表現も全然変わってくるものだと思うので、そのままやりましょう!「近所の書店さんと一緒に」ZINE作るの、最高じゃないですか!
手条萌さんのお笑いZINE、ずっと読みたかったんですよねー!わたしは「お笑い大好き!」って胸を張って言えるほど全ジャンルを網羅しているわけではないので、俯瞰してみるのは難しくて。お手紙にも書かれていたように、お笑いには時代性が反映されるものだと思うので、客観的に見られる資料としてぜひとも読みたい……!
だんだんと前置きが長くなるこの連載ですが、そろそろ本題に入りますね!
路地裏でねこを見かけると追いかけてしまいませんか?
いつも人目を気にしてばかりのわたしですが、ねこがいるとなれば話は別です。隣にいる人のことも忘れ、「おいでー」と声をかけることもしばしば。
え、まだ雑談してる?いやいや違うんです。
ねこ好きの人は、ねこのイラストを見ると駆け寄ってしまう習性を持ち合わせているはず。ということで、最近買ったZINEが猫まみれだったので今回のテーマは「猫」です!
『踊るように寝て、眠るように食べる』ひらいめぐみ
『おいしいがきこえる』というZINEが大人気のひらいめぐみさんの日記本です。
……これ、ねこですよね…?
念のため、本人に確認しちゃいました。違っても可愛いからそのまま紹介しちゃおうと思いつつ。くいしんぼうのねこが意のままにごはんを食べているイラストがとてもかわいい!きっとごはんを食べすぎておなかがフヨフヨなんだろうなー。
しばらく見ていると、ひらいさんがどんな風に装丁をリクエストしたのかが気になってきました。イメージをビジュアルに起こすまでの過程が気になります。こういう話が聞けるイベントやりたいな〜。
いやー、日記ってやっぱりいいですよね。出来事が書かれているのもおもしろいけど、他人にわざわざ共有しないような考え事とか気づいたことも羅列されていて。
特にひらいさんは食にまつわる感性がとても独特なので、「その視点はなかったわ」と毎度驚きます。でもその着眼点をけしてひけらかしてなさそうなところがいい。なんか漫才とかコントで上演できそうだな、と勝手に妄想しています。
最近何度かひらいさんに会う機会があったのですが、なんか日記を読んでいるからなのか、だんだんと孫娘を見ているかのような気持ちになってきて……。元気に過ごしてほしい。おもしろいのたくさん書いてほしい!おもしろさは読者にとって未来の希望になりますからね。
ORNEKO BOOK/オルネドフォイユ
こちらは谷中にある「雑貨と本 gururi」さんでおすすめしていただいたもの。「オルネ ド フォイユ」というインテリアブランドの猫グッズカタログwithねこ、という体裁です。
いや、内容的に「ネコwithカタログ」なフォトブックといったほうがふさわしいかも。ネコの皆さんに理想のライフスタイルを提案する呼びかけなんかもあったりして最高……!コンセプトが「ネコが見る本」なんだそう。
本からのぞくのは、ネコの栞。パッケージもいいですよね。しばらく開けたくない気持ちになりつつ開けましたが。
そうそう、「うちのネコ」みたいなZINE、もっとあってもいいのではとも思いました。いつどこで聞いたか忘れてしまったのですが、亡くなった飼い猫の写真をフォトアルバムにして仲間に配ったという方がいて。
そうやって思い出をまとめることで自分やその猫ちゃんを愛してた人たちにとっての宝物になるな、と。書いてて涙出てきました……。そういったメモリアルなものもいいですし、猫好きなだけで集まったZINEというのも、とんでもない傑作がうまれそうな気もしました。ZINEは愛。
『ねこ 2』楓真知子
こちらは学芸大学「SUNNY BOY BOOKS」さんの展示で買ったイラストレーター楓真知子さんの『ねこ 2』。
愛くるしいねこの姿がいろんなシチュエーションで描かれていて、どこかリアルなんですよね。描かれている感情が。うまく伝えられていませんが……。
両手で子猫を掬い上げるように抱き上げて顔に近づける女の子の絵があって。きっとこれは飼い猫がいるから描ける絵だろうなと思ったんです。
展示に伺った際、ちょうどご本人がいらしたのでお聞きすると、なんと猫は飼っていないとのこと……!!ちなみにウサギを飼っていて、そういった意味では家にいるどうぶつの姿を参考に描いているものもあるそうです。
「イマジナリーキャットなんです」とニコニコとお話しするのを聞いて、絵が描けることへの強烈な憧れを感じました……。空想の世界を自分の手でいかようにも描けるなんて……!!
ちなみにわたしの画力はというと、いつかの友人たちとの旅行でのこと。お題に合わせてみんな同時に絵を描いたのですが、ドラえもんを描いた途端一同爆笑。それ以上はもう聞かないでください。
以上、ねこZINE特集でした!
ZINEの循環
そういえば、前回おすすめした『37歳のバレエ教室』の著者の柳澤はるかさんからご連絡をいただいて。なんと以前イベントで直接わたしから日記ZINEを買ってくださっていたそうです……!
偶然が起こした奇跡、いや必然だったかもしれません。この連載始めてよかったなって心から思いました。
なんか、ZINEを作って売る、そして誰かのZINEを買うという一連の行為が循環するのってすごく純粋でいいなってしみじみ思う今日この頃。
野菜もスーパーより直売所で買った方が美味しいのと一緒で、究極のところ、本人がどうしても伝えたいことって、どれだけ作者が主導権を握れるかによって伝わる濃度が変わってくる気がするんですよね。
関わる人が多ければ多いほどいいものができなくなるという意味ではもちろんないし、そういう作品だからこそ魅力が伝わるものもあるんですけど。
イベントに出ると、「ZINEを作ってみたいんです」と声をかけられることが多くて。そういう人たちの背中を全力で押してきた身としては、まわりの方たちが少しずつ作ろうとし始めていたり、はたまたいつの間にか完成させていたりするのが嬉しいなと思っています。
別に何かしたわけじゃないんですけど、なんか自分で作る楽しみを知っていたら、しんどい時もなんとか乗り越えられる気がするんですよね。そういった意味でも「作ってみたいな」と思った人にはなんでもいいから作ってほしい。
と、いうことで明日は文学フリマ東京へ出店してきます!
とんでもない規模のイベントで緊張が止まりませんが、みんな本好きの仲間だと思えば文化祭みたいなもんですよね。いいZINEとたくさん出会ってきます!!
かもめと街 チヒロ
次回の更新は「ブックバーひつじが」シモダさんです。(11/25公開予定)
※すみません、明日なのでこちらで告知させてください!!※