と、いうことで前回見つけた、神保町の学士会館の話です。
学士会館は昭和3年に建てられました。
もともとは帝国大学(今で言う国立大学のことなのかな?)を卒業した人が集う場所として作られたもの。今もその機能はありつつも、1Fにはレストラン兼カフェ、ウエディングサロン、宿泊施設がある複合商業施設となっているようです。
昭和ノスタルジックな建築さんぽ。神保町・学士会館 外観
学士会館、全貌を捉えるには普通のカメラじゃ到底ムリ。比較的広角で取れるiPhoneでもまずムリ。神保町でこの規模感の建物、ないんじゃないだろうか。
せめて反対側の道路から外観撮ろうと思ったのですが、寒くて力尽きたので入口だけ。
半円をくり抜いたようなアーチの階段を登っていくとエントランスにたどり着きます。
確かエントランスの床で使われていたタイルがこちら。
布目模様のついたタイル。何度も踏まれてすり減り、しっとりと味わい深い質感になっています。ああ、美しい!
設計は、佐野利器と高橋貞太郎。高橋貞太郎は日本橋高島屋を手がけた建築家だそう。
昭和ノスタルジックな建築さんぽ。神保町・学士会館 内観
建物内へ入ると、床は真っ赤な絨毯!特別感のある造りに胸が躍ります。
奥には大きな時計や古いオルガンも。(撮ってません)
よく見ると階段の踊り場に使われているタイルが建物の歴史を物語っていました。
壁沿いにはスクラッチタイル。このタイルは、縦に引っかいたような跡を残し、ジグザグと陰影を作るデザインのものを指すようです。帝国ホテルに使われたことでその当時流行ったとか。(タイルの知識勉強中なので、違ったらごめんなさい)
柱の角には、なめらかな曲線で重厚感を和らげるデザインのタイルが。脳内でホイップクリームが浮かびました。
こういうの、アール・デコっていうんですかね。またはアール・ヌーボー?いつまで経っても違いが分からない…。
暖炉には、小さな正方形の豆タイルがみっちりと。
年季が入っているからなのか、目地(タイルとタイルを埋めている部分)の埋め込みのせいなのか、おそらく正方形のタイルの角が取れて角丸になっているところも愛おしい……。
そして、化粧室の前には目隠しにステンドグラスが。
そうそう、昔の建物ってこういう配慮がありましたよね。
子どもの頃は古臭く感じていた気がするけれど、今見ると配慮があっていいかもしれない。化粧室から外へ出る一瞬の心構えができるスペースというか。
昭和ノスタルジックな建築さんぽ。神保町・学士会館のカフェでスイーツを。
1Fの玄関を入ってすぐ右手にあるのがレストラン兼カフェ。
ランチにはカレーやパスタなどがあるようですが、今回はスイーツを。
結婚式場としても使われる学士会館。ふらっと入れるけど、普段着で行くとちょっとソワソワするかも。全然普段着でいいのですが、この空間でニット帽は浮くわ……。
気を取り直し、カフェラテとクレームブリュレを。ホテルライクなのに、価格は喫茶店やカフェと変わらない。ありがたい。
学士会館のクレームブリュレ、バニラフレーバーがきいていて、どこかパステルのとろけるプリンのような濃厚さ。表面のカラメルにスプーンを入れる瞬間は、アメリになった気持ちで行いましょう。
ここ、もしかして神保町の穴場じゃないですか?
学士会館のような建築が好きな人におすすめの一冊
昭和ノスタルジックな建築さんぽ。神保町・学士会館 施設概要
丸の内から神保町さんぽ