[連載]全日本ZINEファンクラブ 16通目

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※この連載は福岡にある「ブックバーひつじが」店主のシモダヨウヘイさんと好きなZINEをそれぞれ紹介しあうというコンセプトで始めました。毎月10日(シモダさん)・25日(チヒロ)の月2回、それぞれのサイトで往復書簡を公開します。前回のお手紙はこちら

ブックバーひつじが シモダさん

こんにちは!今月は更新日を変更してくださり、ありがとうございました。

2月はずっと低空飛行を続けていたような気がします。あまりZINEを探しにも行けず、意識的に刺激をおさえて生きのびていたような気がします。寒さは敵……!

それはそうと、シモダさんのように本にまつわるお店を営みながら、本もZINEも読みまくっている人でも(いったいいつ時間があるんだろうとは思っていましたが)「自分は読書家だ」って自信満々に言えるものじゃないのですね……!返答に困ったときの返しが最高です。いつか使います。

前回紹介されていた作品、どれも気になりすぎて身悶えしました。リソグラフのダジャレCDジャケットのZINE、いいですね!笑いのセンスを磨いたらおもしろい文章とかタイトルも楽々と作れるんじゃないかと前から思っているのですが、「ジャミ6割」はぜったい思いつかないな。

『新刊落としました〜』は、今回連載を落としたわたしは読まねば……!こういう、ついつい手に取ってしまうタイトルのセンスいいなあ。表紙も「あの本のオマージュかな?」みたいに想像できるデザインいいですね〜。

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温かい日が増え、そして確定申告や諸々の締切を超えて、ようやく気持ちが切り替わってきたような気がします。

そうしたらサッと出会えました、いいZINEに。

 

『お調子者のスパイス生活 vol.2』矢萩多聞

本屋・生活綴方が発行している、画家・装丁家の矢萩多聞さんのZINE。

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前回のお手紙から続き、こちらもリソグラフです。文庫サイズの中綴じで作られているのですが、ザラッとした紙の質感といい、表紙のシールといい、ZINEとしての存在感がすごく良くて。リソグラフやりたくなっちゃうな……!

毎号ひとつのスパイスを特集しているようで、読み応えのあるエッセイからレシピまで盛りだくさんなんです。しかも、うれしいスパイス付き!

コリアンダー特集の今号。そうです、あのカメムシのにおいと呼ばれ、人によっては忌み嫌われるパクチーにまつわる興味深いエッセイが載っています。

スパイスと仲良くなりたいと年々思っているものの、カレーを作るとき以外の活用法がなかなか身につきません。夏になるとやたらとスパイスを買っては眠らせがちなので、このシリーズを読んで自分なりのスパイスとの付き合い方を作っていきたいなと思っているところです。

 

『台所珈琲の手びき』余白珈琲

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夫婦でコーヒー屋を営む、余白珈琲が発行するZINE。おいしいコーヒーの淹れ方について、右も左も分からない人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

コーヒーは好きなのですが、本格的な美味しさを求めるならカフェに行けばいいと思っていて。豆の種類や特徴も覚えきれないし、細かな味の違いを覚えるのも得意じゃなくて、なんとなく自分の好みの味だけ知ってればいいというか。

大ざっぱな方なので、教則本でコーヒーの美味しい淹れ方を読んで実践するのもめんどうだけれど、初歩的なことを知っておきたいと前々から思っていたんですね。

そこで、なんだかこのタイトルに惹かれてしまったんです。『おうちでコーヒー』だったら買わなかったかもしれません。『台所』だからいいのです。気負わないでコーヒーと仲良くなれるんじゃないかと思ったから手に取ったんだと思います。

家でおいしい珈琲を淹れたい人へ向けて、読み物としての楽しさを提供しつつ、作者自身の考えを教えてくれるというか。

「こうするより、こうしたほうがいいかも」と教えてくれる時の姿勢がいいんですよね。わたしは「これはダメ」って言われると、理由が腑に落ちるまで納得できないところがあって。この本では、そういった疑問を先回りして実験した結果を書いているところも面白かったです。

 

『読点magazine、増補版』TOUTEN BOOKSTORE

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こちらは、名古屋にあるTOUTEN BOOKSTOREが発行するZINEです。

前回に引き続き、本屋さんの作品ですが、こちらはまたちょっと違ったタイプ。

届いた瞬間、参考書のような分厚さで痺れました。もともとクラウドファンディングのリターンとして作られた本に加えて、TOUTENさんが今まで発行されたニュースレターなどが収録されています。

これはまさに本屋を運営したい人のためのZINE!お店が出来るまでの日記や、写真、図面、そしてなんと事業提案書まで載せていて。紆余曲折を知ると、そのお店への愛が深まりますね……!

今後本屋さんやりたい人は全員買った方がいいのでは、と思うほど密度の濃い内容でした。もちろん本屋が好きな人も。ニュースレターのアーカイブも読み応えがあって最高です。気になる本が無限に増えちゃいます……!

以前出した『決めない散歩』でTOUTENさんへ行った日のことをちらりと書いたのですが、常連さんが古賀さんにおすすめの本を聞いている光景が印象的で。街の人とお店の人との距離の近さがいいなぁと思った記憶があります。

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シモダさんがZINEのイベントを精力的に企画したり出店されているのを拝見し、場を作る方の素晴らしさを感じています。そういう場を作ってくれる方がいるからこそ、作品と読者との尊い出会いがあるので。そういう場(というか、イベント的なもの)をやってみたいと思いつつ、なかなか飛び込めないでいますが、いつかはやりたい。そのときはぜひご一緒したいですね。

次回のご紹介も楽しみにしております!

かもめと街 チヒロ

次回の更新は「ブックバーひつじが」シモダさんです。(4/10公開予定)

 

 

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