• エッセイ

梅雨を好きになる実験

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「紫陽花がきれい」以外で、梅雨を好きになる理由を見つけよう。

例えば、梅雨の晴れ間が美しいだとか、緑が潤うとか、肌が乾燥しなくなるとか。

でも、「緑が潤う」は、ほぼ「紫陽花がきれい」と同じ意味なので、頭数に入れられない。

肌が乾燥しなくなるどころか、暑さでドロドロになり始めるのもこの季節から。ああいやだ。湿気によって広がりやすい髪のことも気になる。

朝起きた瞬間、どんよりした空も滅入る。

屋外から室内へ入る時に濡れた傘のしずくを払い、畳んでビニール袋に入れて持ち歩くのも面倒くさい。

それから、リビングのテーブルの表面がしっとりとしていて、タイピングする腕に張り付くのが地味にストレス。木製のテーブルだけれど、ウレタン塗装がよくないのかもしれない。

なによりわたしはこの時期に毎年体調を崩す。

梅雨の時期は持病が悪化しがちで、体は重たいわ関節は腫れるわ、どうも良くない。気管も弱りがちで、むせると止まらなくなる。天敵はハウスダスト。

 

あれ、嫌いなことしか出てこない。どうしよう。

自然にとっては潤いの季節で、農作物の成長には欠かせない時期だろうし、大事なのはわかる。

「梅仕事やってます」って、丁寧な暮らしを演出できる季節でもある。

数年前にやったものの、いまだ飲みきれていない梅シロップが残っていて、自分には毎年さほど必要な行事ではないと気づいた。

そういえば梅雨の季節になると、父が梅酒を毎年作っていて、実家の押し入れには年季が入った梅酒がたくさんあったなぁ。お酒が強くない上にふだん料理も全然しないのに、なぜ梅仕事だけはやってたんだろう。

 

話がそれた。

もう一度、梅雨のメリットを考えてみよう。

 

……だめだ、雨の日の紫陽花の葉っぱが露にぬれて輝いて見える、くらいしか思い浮かばない。それほど梅雨を嫌っている。都会にいるせいかもしれないな。

 

そこで、「梅雨 メリット」と検索してみた。

思った以上に記事が見つかり、意外とみんな検索していることを知る。多くの人が梅雨が苦手、というのも肌感覚で分かっちゃいるけれど、可視化できるとなんだかホッとするような。

ふんふん、空気の浄化ね。たしかに。埃やゴミが流されるっていうもんね。雨上がりの夜にアスファルトを歩くと、道路がステージのように輝いて見えるよね。あれ好き。

前に住んでいた場所は公園が近く、雨上がりに鬱蒼とした木々の間の歩道を歩くのが好きだった。

コケ観察にはまっていた時は、ビクセンのミニルーペを持って公園の大木に張り付いたコケを愛でた。

変質者と思われないように、人が通ったらなにげなく木を見上げて「この木、大きいな」と感心するフリもした。

 

あ!わかったぞ。梅雨が嫌いな理由!

ビルに囲まれた街にいるから嫌いにしかなれないんだ。

緑に囲まれていたり、田んぼや畑が身近なら、梅雨のメリットについて思いを馳せることもなく、いかに水が大切か可視化されている光景が身近にある。

いや、都会でも緑の多い場所へ行けば、空からのシャワーを浴びて生き生きとしたニアリー自然を目の当たりにできる。

 

なんとなく、解決策は見つかった。

自然へ赴くこと。

都会からでも2時間ほど電車に揺られれば、そこそこ自然に出会える。奥多摩かな。奥多摩がいいかな、やっぱり。秩父あたりもいいかも。

 

除湿機をぶんぶんとまわし、いつもならまだ我慢するエアコンもオンにし、できるだけ自炊してからだの巡りをよくするように心がけている。

さて、今年の梅雨は。

 

紫陽花の名所へ

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梅雨にはあじさいを。白山神社で約3000株の紫陽花を眺める

 

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