• エッセイ

ホームセンターで解決するほどの悩み

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緑に囲まれたい。

季節の花を愛でたい。

土いじりしたい。

そういえば、西荻窪にあるスーパーの園芸コーナーでいろんな鉢植え売っていたのを思い出した。近所のスーパーにはせいぜい切花があるくらいだし、花屋へ行こうと思ったけれど、あいにく鉢植えが売っている店は日曜日は休みだ。

何度も植物を枯らしているのに、どうしてそばに置きたくなるんだろう。枯らした罪悪感から「しばらく植物は切花で十分だ」と割り切るのに、春になるとついつい手が伸びる。

行先を決めず、とりあえず外へ出て考えようと、隅田川テラスへ向かった。家を出る前に決めかねて、ベストな目的地を考え抜いた結果、疲れて引きこもる癖があるので、なにはともあれ外の風を感じるのは大事なことだ。

「そうだ!清澄白河にホームセンターがある!」と思い立ち、ちょっと長めの散歩をすることに。

なんだかテラスにいる人たちがざわざわしているな、と思ったら、今日は早慶レガッタの日だそうだ。新大橋からスタートして桜橋がゴールなんだそう。

後髪を引かれつつ、清洲橋を渡る。関東大震災からの復興という願いを込めて作られた清洲橋の堂々たる存在感。橋を渡るだけなのにいつも胸が高まる。

川床のようなテラスでクラフトビールが飲めるカフェを横目に見ながら歩くと、なんと平賀源内が電気実験をした場所を発見!

石碑が立っているだけで、他は何もなかったけれど、こんなところで歴史の1ページに遭遇できたことが嬉しい。地点登録しようとGoogleマップを開くと、平賀源内の生涯を15行ほど一気に綴った口コミが目に飛び込んできた。愛が強い。

しばらくここでエレキテルについて調べたいけれど、目的を果たせなくなりそうなので退散。

自販機で生クリーム入りの濃いカルピスを一気飲みし、水分と糖分を補給して久しぶりのコーナンへ。

探し求めていたものは全部ホームセンターにあった。

スペアミントもバジルもローズマリーといった基本のハーブの苗はもちろん、すこし季節を先取りしたヤマアジサイの鉢植えも。「これもいい?」と遠慮がちに、でも絶対連れて帰るぞという意志で夫に手渡したグレーの買い物カゴにぐいぐいと入れる。

「こんなに買うの?」と制されつつ、気づけば隣から「メロン育ててみたい!」との声が。さすがにプランターでは無理だろうと思い、「食べられるものを育てたいなら、とりあえずミニトマトからどうぞ」と伝える。トマトの苗は、長い棚を2列埋めるほど種類豊富で驚いた。

植物を選び、ふらふらとフロアを散策すると、子ども用の虫取り網を見つけてカゴに入れた。これでもう夏のセミ爆弾もこわくないはず。

 

いろんな悩みを一気に引き受けて解決してくれるホームセンター。

モヤモヤと悩み出したら、まずホームセンターへ行って苗を買うという選択肢も、それはそれで良い気分転換になるかもしれない。

 

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