選ばなかった人生がふとした時に気になるのと同じで、選ばなかったメニューのことも気になる。
選ばなかった人生のことを考えるにはテーマが重いし、どうしても後ろ向きな心持ちになってしまうけれど、選ばなかったメニューについて考えることは未来への希望のようなものを感じる。要するに、次に来た時になにを頼もうかという楽しみが増えるということだ。
「銀むつ!」が3回、「あじフライ!」が2回、「刺身定食!」が1回、と続き、あじフライを思い描きながら、揚げものもよかったなぁと思いを馳せる。
あじフライと刺身のセットなんて最高じゃない?でも、お刺身と揚げものって相性良くないんだっけ。それは天ぷらだっけ。
そういえば揚げもの食べたいって思ってなかったっけ。と思ったけれど、時すでに遅し。予め準備されていた刺身の盛り合わせはオーダーからものの数秒でテーブルに運ばれた。
ここのお刺身は美味しい。まぐろの分厚さと、しっとりとした滑らかな食感、ちょうどいい脂ののりよう。日本橋で働いていた時にも、近くの支店に何度か足を運んだ。(ググったら既に閉店していた)
きらびやかな銀座も好きだ。
だけどこんな風に昭和の佇まいそのままで、時たまおしゃべりしつつキビキビと働くおばちゃんたちの姿を見るとホッとする。
「この席、クーラーがあんまり効かなくてごめんね。」と店員のおばあちゃんが言う。「いえいえ、大丈夫ですよ」と首を振って答えた。
彼女たちはよく知っている。
ほんのひとことの世間話が、お客さんの心の潤滑油になることを。
だからこそ、サラリーマンのおじさんたちが足繁く通うのだ。でもきっと、この感じ、若い人たちも求めている人も多いはず。安心するもの。
銀座のおすすめ定食ランチ〈三州屋〉店舗外観
かつて日本橋にあった三州屋、銀座店にも行ってみたいな〜と思いつつ、早数年。はっ!と思い出し、真夏の暑いお昼に向かいました。
えっ!この路地入るの?と思うくらいの、裏通りのさらに路地を入ったところに暖簾が見えた。
再開発や地上げなどなどの理由で、こんな路地にぽつりと知る人ぞ知る店があったりするのかな。まだブログで紹介できていない、銀座のとんかつ屋さんもこんな路地にあったもんな。
ふつうに歩いていたら見過ごしてしまうほど、銀座の大都会は裏通りにも名店が隠されています。
銀座のおすすめ定食ランチ〈三州屋〉メニュー
定食ランチに1300円。ちょっと高いなと思いつつ、ここは銀座の一等地なので、妥当かもしれません。
この、艶めく分厚いお刺身を見て納得。
お刺身の上の花は、花紫蘇(穂紫蘇)と呼ぶそうです。ぱららっとしごいてお醤油に入れるとピンク色の花が映えて素敵。
白ごはんもすごく美味しかった…!赤だしのなめこ味噌汁はちょっと濃かったけど、お腹の収まりもちょうどよく、なにより落ち着いた空間で短時間でぱぱっと美味しい定食にありつけたのが嬉しかったです。
銀座といえば娯楽の街であって、お休みの日に食べるようなランチが人気ですが、こういう働く人向けのササッとランチが食べられる店も探せばあるんですね。またいこ。
銀座のおすすめ定食ランチ〈三州屋〉店舗情報
京橋のアジフライは人生最高のアジフライかもしれない
こんなに美味しいアジフライには、もう出会えないかもしれない〈京ばし 松輪〉