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純喫茶で東京をめぐる旅 vol.4 向島〈カド〉で生ジュースを

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場の雰囲気にどれほど力をもらっているか、ということをひしひしと感じる2020年。

好きな喫茶店やカフェへも行けなかった自粛期間を過ぎ、気をつけつつ散歩してはいるものの、まだ遠出はしづらい。

3ヶ月に1度くらい、ちょっとした旅へ出るのがルーティーンで、そこでようやく変わらない日常と折り合いをつけられるのに、それすらできない夏を過ごし気づけば秋。久しぶりにライブへ行ったら「いま求めてたのは没入感だったんだ…!」と切に感じました。

そんな没入感が感じられる喫茶店が東京下町・向島の〈カド〉。

喫茶店はそれぞれ独自の文化が育まれていて、なにひとつ同じような店はないと思っていますが、とはいえここまで濃度の濃い店はないのでは…!

3年ぶりに伺ったものの、その濃さにしばらく圧倒されて30分くらい無言に…。マスターと話したいけど、見れば見るほど〈カド〉には不思議がいっぱいで発見がある。

ようやく目が慣れてきた頃には、博識なマスターのおしゃべりが止まらず、出る頃には舞台でも1本観たような満足感。

「ほら、芸者さんが外歩いていますよ」と窓の向こうを指すから身を乗り出したら、「まあ、この辺はそういう街だから、珍しくはないけどね(向島は今でも料亭がある花街です)」って。

親切と素っ気なさのバランスがちょうどよくて、わたしの好きな下町の喫茶店ってこういうところなんだよな…と改めて感じました。

 

純喫茶で東京をめぐる旅 vol.4 向島〈カド〉で生ジュースを 店舗外観

向島の喫茶店〈カド〉のある場所は、どこの駅からも遠くて、押上駅から約15分。浅草からだと隅田川に架かる桜橋を渡って街へ降りてすぐ。

と言っても、浅草駅から桜橋を渡りきるまで15分以上はかかると思いますが。

裏ルートとしておすすめなのは、上野にある台東区役所付近の大通りから都バス「草39 金町駅前」へ乗り「向島二丁目」で降りると、ほぼ歩かないですみます。

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道路の角にあるから「カド」。外側から見ると、一見喫茶店があるようには見えにくいのですが、この看板が目印です。

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外から中の様子がほぼ見えないところも良い…。

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純喫茶で東京をめぐる旅 vol.4 向島〈カド〉で生ジュースを 店内

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向島〈カド〉は創業63年目。特徴的な内装は、作家・志賀直哉の弟である直三さんが手がけています。先代であるお父様が知り合いだったとのこと。

ずらりと並んだ絵画は、西洋美術が好きだったお父様のコレクションで何十枚もあり、毎年入れ替えているそう。久しぶりに来たとはいえ、印象が違うなと思った理由はそこにありました。

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店内のどこもかしこも装飾に溢れていて圧倒されるはず。ここ、重要文化財に指定してほしいです本当に。

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純喫茶好きには聖地のような場所ですが、夏は駅から遠いこともあってわりと空いているそう。

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先代であるお父様が60年ほど前に始められた〈カド〉。

「親の形見だと思ってるから続けられる」という、マスターの言葉を聞きながら店内をくまなく見渡すと、ひとつひとつは古いものなのに、きちんと手をかけているのが伝わってきます。

あまりに古くて、直せる人がいないから、天井も自分で直しているそうですよ…!

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店には古い蓄音機に、大正時代の扇風機まで!配線も劣化したのをご自身で直すとか…!いちいち驚いていると「だって直せる人がいないから」と。

このストーブもかわいい…!

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鉄格子にレースのカーテンで外の世界と遮断されていて、それでいてほの明るいのも好き。

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「昔はレコード1枚が高価だったから、みんなで一緒に買うとか、店で聞くとかしかできなかったんですよ。だから名曲喫茶があるわけで」と、文化的な文脈を解説してくれるのが楽しくて、延々と聞いちゃいます。

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知識の奥深さに心底驚きますが、〈カド〉のマスターの素敵なところは、そういうのを語りつつも、知識がない人を見下したりはしないところなんだよなぁ…。

わたしがボソッと話しかける前まではずっと静かだったので、きっと話したそうにしている人には話してくれるのだと思います。

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純喫茶で東京をめぐる旅 vol.4 向島〈カド〉で生ジュースを メニュー

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〈カド〉の名物は生ジュースとくるみパン。喫茶店といえばコーヒーですが、生ジュースがメインなのはめずらしいかもしれませんね。

〈活性生ジュース〉は、れっきとした野菜ジュース。

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その場で野菜を切ってミキサーにかける、フレッシュな野菜ジュースです。セロリが効いていて、からだの中からきれいになれそうな味わい。しっかりと飲みごたえのあるジュースです。

たしか前に来たときは、いちごのジュースとくるみパンのサンドウィッチにしたような。自家製のくるみパンは持ち帰り用の販売もあって、常連さんがささっと買いに来るのが印象的でした。この日は夕方に行ったので持ち帰り用は売り切れでした。

唯一無二の独創的な喫茶店〈カド〉、ぜひ向島散歩へどうぞ。

〈カド〉の魅力は〈好きよ、喫茶店〉にもたっぷりと。素晴らしい本なので読んでほしい

純喫茶で東京をめぐる旅 vol.4 向島〈カド〉店舗情報

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