ゴロウ・デラックス×ムロツヨシ(前編)ほぼ書き起こし

SPONSORED LINK







「『これは、喜劇』ムロツヨシを骨の髄まで知り尽くす30分」

わー、なんて素敵なサブタイトル!! 想像以上に丁寧に、真摯に取り上げてくれてたなぁ。

さて。ざざっと、ゴロデラ×ムロツヨシ前編のほぼ書き起こし。

「ムロ本」は、私小説・台本・交友関係がのぞける対談などなどの400P。 (読んでると、持ってる手がぶるぶるしてくる。。重さと厚みで。2冊にしてもよかったよね…?)

タレント本って、相当ファンじゃないと買わないかもだけど、この本は台本部分が短編集のようで すごーくいいんですよ。ぜひ読んでほしい!

 

喜劇役者と名乗る理由

まずムロさんが「喜劇役者」と名乗る理由について。 昔なら喜劇役者といえば植木等さん・渥美清さんがいたけど、今はいない。 それなら名乗ってみようと。また、舞台で喜劇をやりたい思いがあるとも。

ただ「喜劇役者」と言うと「じゃあ笑わせてみろよー」と言われがちなので、 「違うんだ!喜んで劇をする人って意味なんだ」っていう後付けの意味もあるそう(笑)

ムロさんのキャラクターを軸に、明るくふざけながら進行していくかと思いきや、 わりと初期の頃からバラエティ番組に出てるムロさんを見てきたわたしでも、知らない話や フォーカスされる名言がたくさんあって、真夜中にじんわり涙を浮かべました。

「最近元気が出ない」って言ってた友人も「昨日のムロさんに元気もらった!」とLINEが。

こうして吾郎さんに本を読んでもらってること、こうしてTVで特集されてることが信じられない、と。

で、結ってきちゃいました、髪、と。ちょんまげみたいなムロさん。 おしゃれな森山未來を意識してきたと…

 

「、」を多用する理由

連載を始めたのが8年前。その当時から今までずっと、ムロさんの文章にはある特徴が。 「・(なかぐろ)」を「、」にしている。

その理由は単に「…」の出し方がわからなかったから使っていたそうで… (ムロさんのツイッター見てて、「なんかそういう特徴つけたいひと」なんだと思ってた。) 「・」「。」使わない人、オレ!ということにしてるそう。

「、」は続くから、という後付けの意味を添えて。 「後付けうまい!」と感心する吾郎さん、目がキラキラしてる!ムロさんに興味持ってくれている…!

「この人おもしろい!もっと知りたい!」って表情になったときの吾郎さんが好きです。

にしても、ほんとムロさんて後付けでいい感じのこと言ってドヤ顔するよね〜(大好き!)

 

ムロツヨシの歴史を振り返る

出演作品を振り返る際、ボードを持ってきたのはAD山田くん(山田優さん弟)。

なんだろうね、あの彼のにくめなさ。グダグダなのに…!好きです。 (でも実はいつも収録時間の間1時間半で、あのすばらしいクオリティの似顔絵ハンコを完成させているという…)

「ムロさんだから出番が多いんだよー」となんだか愚痴りながらご登場。

で、「よく二人は会うの?」みたいに聞かれて、「小栗旬の家で…」「あー」と吾郎さん納得。 「こいつこないだ家で40分くらい説教されてた、愛のある説教でしたけどね」とムロさんにバラされて。 「あー、酔ってて覚えてない。」と山田くん。「お前これ見たらまた怒られるぞ!」と愛あるツッコミ(ムロさん)。

「踊る大捜査線」スピンオフ「交渉人真下正義」に出てた、ということにびっくりする吾郎さん&外山さん。 吾「見たよ!…いた?犯人?」(ちょっとイジリ出した吾郎さん。ムロさんてほんと、愛あるイジリをされがち。) ムロ「あの映画、犯人出てこないですから!ユースケさんの隣にいます。」 (そうだね、後々見返したらいたね。真面目そうな一癖ある人な感じで佇んでたね。)

「ガリレオ」にも出てた。「柴咲コウさんにインタビューを受ける人その2」として、と。 その当時自分のことを「ワンカット役者」と評していたそう。

吾「いつの間にか出てきたという感じが」というと、 ムロ「「その間も僕はずっと必死だったんですけどね!すべてに爪痕を残そうと!」と突っ込んだり(笑) (スタッフさんの笑い声がいつも以上に聞こえる…!ここにもムロファンが!)

「ぐいぐいゾンビ」もちゃんと出演作品にラインナップされててうれしかったな。あれ、おもしろかったなー!

「勇者ヨシヒコ」の「メレブ」役でじわじわと有名になり、朝ドラ出演でおばあちゃんに話しかけられるようになったと。

吾「朝ドラの影響力ってすごいよね。人生で初めて出たドラマが朝ドラで。ハワイで気付かれたもん。」と。

30歳を迎える手前。当時ユースケサンタマリア氏によくご飯に連れて行ってもらってたそう。

ユ「ムロくん。いいかげんバイトやめなさい。君の性格ではのらりくらり生きていけちゃうから。」 (たしかにどんなバイトもいい感じに馴染んでこなしそう)

で、30歳の誕生日を迎える前日で辞めたと。

吾「ユースケさんもよく見てくれてたんですね。」と感心。

 

バラエティ番組に出る理由

それは「舞台に来てもらえるお客さんを増やすため」。 (いまや人気すぎてチケット取りづらくて困っちゃいますけどね〜ファンとしては。)

顔を知って覚えてもらって「1回くらい観に行ってやろうかな」と思わせる、と。 番組に貢献しつつも、そういう思いが根底にあると。

その並々ならぬ熱い思いを聞いて、 吾「贅沢だけど、そういう経験は僕は経験してきてないから。そういう人にしかできないお芝居ってある。 絶対それ羨ましいなと思う。でもそれにこだわり過ぎてもいけないなとも思うし。道が違ったと言えばそうだし。」

役者×役者、の本音話が印象的でした。

相手の持つものを羨ましいと正直に伝えること、でもきちんと自分の道を肯定する強さ、が吾郎さんにはある。

吾郎さんの持つ共感力すごい。ムロさんも大きくうなづいてた。

 

語られてこなかった人生

本に沿って、ムロさんの幼少期から役者を始めるまでのお話。

最初の記憶を辿ると、家族が喧嘩をしているところ。

リアルでしんどい記憶。 中学高校時代に自分の家庭環境を人に話すと、「不幸自慢になるからやめろ」と言われてたと。 ただ事実を言ってるだけでもそう聞こえるのか、と思ったムロさん。

「昔不幸だったけどいまは幸せです」みたいに捉えられるのかな、と感じたと。

ムロさんの家庭環境の話はファンなら何度も聞いてる話ですが、いつも自慢してるようでも、悲観しているようでもなくて。 それを恨んでたり、心に傷が、みたいにアピールしてるようでもなくて。

それはきっと、両親に育ててもらえてなくとも、愛情をかけてくれたおばあちゃんの存在が大きいからで。

そのおばあちゃんもちょっとおもしろい人。 ムロさんが役者になるために東京理科大を中退すると決めた時、「ツヨシには郵便局員になってほしかった」と泣いたそう(笑) 「理科大入った時点で郵便局員はないだろ」と思ったムロさん。きっと安定した生活をしてほしかったんだろうなぁ。

役者として活動し始めるも、どうにもこうにも目が出ないある日。

舞台の打ち上げの飲み会の場に「踊る大捜査線」の本広監督が。その人だと知らないムロさん。 なのに、周りからすごい人だと聞かされた瞬間から、自分を猛烈に売り込みに行くムロさん(笑) ムロツヨシを連呼して覚えさせるという凄技で役をゲット。

「お酒おいしいですね、ムロツヨシです。」「僕もそう思います、ムロツヨシです。」などなど。 …実際やられたら、最初おもしろいけどうざったいだろうなぁ(笑)

で、本広監督の新作映画にムロさん出演決定。 その時に監督に言われた言葉。

「お前の野心はきれいだ。」

「そこまで言うなら一回使ってやる。そこで自分の実力を出し切れ。」と。 あー、本広監督ほんとにありがとう。監督のおかげでムロさんに出会えましたよ!(「踊る〜」も大好きです、わたし)

「生意気に!ムロごときが!」とも言われたそう(笑)

そこでもすでに愛あるツッコミされキャラだったのね。

恥もプライドも捨てて、自分を猛烈にアピールするってなかなかできることではない。

初めての出演映画を振り返るとはずかしいけど、それでも「このときの全力は間違いなくこれだ」と言い切れるムロさん。

その当時の自分がきちんと力を振り絞って頑張っていたと、胸を張って言えることがすばらしい。 ちゃんと頑張った人しか言えないもんね。

初めての映画後、本広監督が「踊る」のスピンオフを撮ることを聞きつけたムロさんは、 「出させてください」とお願いしにきます。 それで出演が決まったのだけれど、実は最初からキャスティングされていたとプロデューサーさんより聞かされたそう。

本広監督が「あいつは絶対お願いしにくるから、それまでは言うな、調子に乗るから。」と、完全に踊らされてる(笑)

この話聞いてるときの吾郎さんがまた表情豊かで!あんな風に聞かれたら、たくさん話したくなっちゃうよね。

「稲垣吾郎の人に好かれる話の聞き方」って本出しませんか?

そして「ムロ本」の私小説部分「数、ある記憶の中から」より、一部を朗読。

ここでも親友役にAD山田くん。なんと台本を読んできてない…!

吾「なんで台本読まないの?」 山「どうせ吾郎さんいじってくれないし」と悲しそうにふてくされる山田くん。 なんなんだ、そのかわいさと素直さは。テレビに出る人らしからぬキャラクター(笑)

そして台本読まなかったからか、セリフの入りを間違う山田くん。 吾郎さんが優しく「しーっ」となだめて続けるのが、またもう!この方も可愛いんですけど。

ムロさんが「ムロ本」に載せていた台本は会話劇が中心で、「、、、、」とか間合いが特徴的。 全部を説明するでもなく、普段の会話そのままで日常を切り取るところが好きです。

朗読は、主人公(配役:吾郎さん)が映画出演が決まったことを仲の良い従姉妹(外山さん)と 親友(山田くん)に話すシーン。

いやぁ、吾郎さんがムロさんの世界に入ること、誰が想像できただろうか。 ものすっごく、よかった…!間合いがとてもいい。

吾「…映画だって。」 と喜びを抑えたように、でもちょっと笑みがこぼれちゃった表情で朗読する吾郎さんに、 ムロさんがじーんと涙を浮かべていた気がします。

そしてそれをこっそり見る山田くん。 最後の締めのセリフ「そして思う。でも、これは喜劇。」

この言葉の入りのタイミング!がすごくよかった。文章じゃ伝えられない〜ああもどかしい。

2回観て2回とも泣きました。

そう、喜劇なんだよね。

ムロさんの従姉妹も親友も、役者をやることに期待はしてなかったけど、辞めることはないだろうなと思ってたと。

おばあちゃんは喜んでたか?という問いに、そこまででなかったと。

おばあちゃんは、とにかく体が元気であればいいと思ってたと。そういうものだよね、家族って。

私小説部分の最終話は、おばあちゃんとの別れ。

ムロ「選んだ職業で成立している時間を見せられたのがよかった」と。 もういっていいよ、という話ができたと。

 

「これは、喜劇」で終わる理由。

ムロさんは言います。

「死ぬ時なのか、何か終わる時に「喜劇だったな」と思いたい。最初の喜劇役者を名乗る理由もそこに入ってる。 自分の記憶、作品、自分の周りで起こせることはどうにかして喜劇にしたい。喜劇であってほしい。 喜劇と思いたい。」と願いも込めて。

ムロ「両親との別れ、猫との別れも、すべて喜劇にしていこう、喜劇と捉えられたら、 捉えているという意思表示でもある」と。

ムロさんの連載を初めて読んだ時、「これは、喜劇」と終わらせるのを見て、 「すべて喜劇と思えたら、自分の人生ももっと楽しめるのではないか」と思ったことがありました。

この言葉に励まされて、元気になれた自分がいた。

だからこの言葉を作ったムロさんにとても感謝しています、私。

あー、こんなに充実した回になるとは思わなかったよ! 今週の後半の回は朗読パートがメインの模様。

どれ読むのかしら。この間合いとセリフをどう表現するんだろうか、とすごく楽しみにしております。

ムロさんの舞台「muro式.」でも、他の舞台でも、二人が共演するところ観たい!!!

 

 

SPONSORED LINK

 




 




 

 

 

Related articles

関連記事