• エッセイ

仕事において「ご機嫌」でいることの大切さ

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先日こんなコラムがツイッターで話題になっていた。

あなたが機嫌がいいと、世界は機嫌がいい 【寄稿】田中泰延

理不尽な上司に振り回されたことが、たくさんたくさんある。

その度に思い出してきたのは、一緒に働いて来た人の中でも「基本」がいつも崩れない人。

それが彼女や彼のポリシーから来るものなのか、またはもともとそういう人なのかはわからない。

何があってもいつものペースを崩さず、感情を出しすぎない姿に憧れては「いつかああなりたいなぁ」と思っている。

昔に比べたらだいぶそうなってはきたと思うけれど、余裕がなくなるともうダメ。。

 

「いつもの姿」を崩さない大切さ

大学生になって初めてバイトした時に出会った10歳上のムラタさん。

いつもクール、的確な指示でぶれない。女性社員がムラタさんひとりの中、すんなり溶け込んで飄々と仕事をする姿がとてもかっこよくて憧れた。

CD屋のバイトは給料が激安だったけど、いろんな音楽が聴けたり、おすすめのPOPを書いたりするのが楽しかった。

他の人が書いたものを読んで聴きたくなったり。

ムラタさんはクールな姿と相反して、大好きなミュージャンへの愛は深くて、それが素敵なPOPに表れていたりもした。

私のようなゆるい大学生バイトにもいつもさりげなく気を遣ってくれていて、(無表情で)「どう?元気ー?」と声をかけてくれるので、初めてのバイトでもすぐに緊張がほどけた。

不器用な私は購入特典のポスター巻きがすごく苦手で、他の人なら細くきれいに巻けるところをかなりの太巻きになっていた。

そういうことも怒ったりいらいらしながら注意して萎縮させるのではなく、「すごいのできたね!」とゲラゲラ笑って「こうするといいよー!」と教えてくれた。

その後彼女は異動になり、ひとりで地方のお店を任されることになりあまり会えなくなった。

けれどたまに店に来る度に(顔は無表情で)「やっほー、元気?」と声をかけてくれた。

そのクールな表情の中に愛情が見えた気がして「ムラタさん…!!」とじーんとしていた。

いつか自分に後輩ができたらこんな大人をお手本にしよう、と決めた。

 

いつも素直に生きるひと

大学を卒業して初めての職場は、念願のアパレル販売員。

社員バイト合わせて10人くらいの小さな会社で、人間関係が密だった。

いじわるな人は1人もいなくて、ダメなところはお互い補い合う、相談に乗る、誰か1人の責任に押し付けたりしない、素直な人ばかり集まっていた。

その中でも直属の上司、スズキさんはとにかく可愛くてセンスが良くて、知識も接客センスも抜群。

彼女は会社イチの売れっ子販売員だった。

それだけスキルもあれば、私のようなへなちょこ新人を教えるのは、困ることもあっただろうに。

いつもニコニコして優しく丁寧に、しっかりと教えてくれた。

体調がいい時も悪い時も常に笑顔で、スタッフにもお客さんにも同じように誠実な姿勢でいる人だった。その「変わらない」姿勢が素敵だった。

そうそう、「売るコツは?」とか聞いても「お客様に親身になって、ただ薦めてるだけですよ」と言ってたなぁ。

ほんとそんな感じだった。

 

仕事は思い出作りと語る上司

長年勤めた販売員を辞めて、初めて事務職に転職したときのこと。

Excel使うのも初めて、オフィスで働くのも初めてで肩に力が入りまくっていた。

派遣先の会社は大手小売り業。広いオフィスビルの中にひとがいっぱいいる。

そして皆それぞれ忙しそうで、挨拶すら目を合わせない。

そんな会社の中で際立って個性的な社員の人がわたしの上司ワタナベさんだった。

月曜の朝になると「ミーティングしようー」と言って、同じチームの社員さんと私を誘ってお茶しに行ったり。

そこで話してくれたのは、ワタナベさんが支援している別の仕事のこと。

貧しい国の子供たちに学校を作っているという話。

普通にサラリーマンとして働いていても、こんな風に誰かの役に立つことをやっている人がいるということに胸を打たれた。

わたしが担当していたのは店舗スタッフへの電話対応や売上集計業務など。

Excel初心者でも容赦なく降ってくる複雑な業務で、日々泣きそうだった(どうしていいかわからなくてトイレで泣いたりもしたな。。)。

「とりあえずデータ作ったんですけど、本当に合ってるかすごく心配です。むりですよー!」と言う度(何てあまちゃんだ!)、
「大丈夫、大丈夫、僕が全部責任とるから」といつも言ってくれた。

毎日のように「ほんとに助かってるよ。◯◯さんのおかげでこのプロジェクトもうまく進んでるし、いてくれるから安心して外出先でも仕事できるんだよ」と言ってくれた。

取引先の人にも良い評判をたくさん流してくれて、わたしが仕事をしやすいように調整してくれていた。

そのせいか、取引先の人もわたしのことを「すごくいい人!」と認識してくれて、辞める時にすごく残念がってくれたり、仕事の紹介をしてくれた人もいた。

まわりへの感謝を忘れず、それを日々言葉にして相手に伝える人がどれだけいるだろう、とわたしは日々感謝していた。

大きなプロジェクトが動いていた時、「仕事は思い出作りだからさ」とふと言ってた言葉がずっと頭から離れない。

その時は言葉の意味がわからなかったけど、今になって「こういうことだったのかな」と思い出す。

 

理不尽な上司に責め立てられてたときに、

感情的になって相手を攻撃してくる人を見る度に

「ぜっったいに尊敬しないし、あんたに注意されても心に響かないもんね。」と思う。

常に良い状態で仕事を進めるには、感情に振り回されてるようではまわりはついていかないのだ。それがいくら名声を得ている人でも。

いつもご機嫌でいて、「いつもの調子」を崩さない人は、まわりから信頼されるし、仕事ができる人っていうのはそういう人のことを言うのだと確信している。

 

初めに挙げたこのコラムを読んだとき、そう思ってる人が一定数いることに心底救われた。

うんうん、だいじょぶ、だいじょぶ。

あなたがおかしいんじゃなくて、相手がおかしいんだよ。

上機嫌でいられることが、

自分と相手にとって、いちばんいい方法で最大の武器。

逆ギレされた時こそ、こっちは平静を保って戦おう。または逃げよう。

冷静さに欠けた態度で注意されても響かないもーん。(勿論反省すべきところがあれば反省する!)

 

そうそう、広いオフィスで働いていた時、ものすごい剣幕で怒る部長がいて社員みんなから嫌われていた。

わたしのもう一人の上司のことを毛嫌いしていて、毎日毎日みんなの前で呼びつけてはめちゃくちゃに怒ってたなぁ。

わたしは怒鳴り声に慣れてないので常にビクビク。体はコチコチ。自分が怒られてる気分になるし、空気がピリつく。

それでも怒られた本人は、謝りつつもなんとなーく切り抜けてて(まあ、それが余計に怒りを買ってるかもしれないけど)。

怒られた後も仕事バリバリやらないと進まないから、パソコンとにらめっこしながらもものすごい勢いで深呼吸して落ち着かせようとしてて。

あれにはまわりがみんな「あんなに怒られてるのにすごいなぁ…」と感心していた。

わたしは彼が病まないか、日々心配していた。

仕事の進め方でかなり困ることも多かったけど、根はとてもいい人で、彼も彼で精一杯なのを推し量る力が私には欠けていた。

ぜいぜい言いながらも、深呼吸してはやく気持ちを平常心に戻そうとしていて、「ものすごく強いなぁ」と感心した。

私ならトイレダッシュで号泣だ。

平常心でいることで部長に勝っている、というようなことを言っていたけど、あの言葉、ものすごくかっこよかった。

わたしに素敵な上司を出会わせてくれてありがとう!と、今でも感謝してます。

だからこそ、わたしは職場でできるだけ笑顔でいるのだ。それが最大の武器だから。

 

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