「どうも、すいません」
口癖のように明るく言う店員さんの声が店内に響いた。新宿の大箱喫茶店のひとつである〈珈琲西武〉。
昭和39年創業の喫茶店は自慢のステンドグラスが麗しい。窓際は自然光が差し込み、レトロだけど重厚感がありすぎず、だれでも入りやすい。
冒頭の店員さんは、遠くからでもお客さんの様子を見ていて、食後にお願いしたホットコーヒーをすかさず絶妙なタイミングで持ってきてくれた。
ほとんどが4人がけのテーブルなので、1人で行くとゆったりと座れるのもうれしい。
それに広いからこそ、新宿ならではの老若男女の人間模様が観察できる。ついつい観察してしまうけれど、あたりを見渡せば、まわりには無関心な人たちなのも新宿らしくていい。
ポータブルDVDプレイヤーを持ち込んで、黄色いノートにボールペンで細かく何かを書き留めている人、macbookを開いて仕事をする男性、あやしそうな商談をする2人組。好きなアイドルの話で盛り上がる若い女の子たち。
わたしは、といえば。久しぶりに映画館で観た映画の余韻に浸りながら、創業時から変わっていないという特製カレーを食べている。
いつも混んでいる新宿なのに、今は驚くほど人の気配がない。いつもの場所だけど、まだこの感じに馴染めなくてソワソワする。
だからこそ、変わらずにある喫茶店がより愛おしいし、いつまでもここにあってほしいと願う。
新宿の純喫茶で懐かしのカレーを。〈珈琲西武〉店舗外観
新宿は純喫茶の宝庫!さいきんは新宿へ行くことが減ったので、だいぶご無沙汰しましたが、やっぱり〈珈琲西武〉の食品サンプルが見えてくるとわくわくしちゃう。
新宿駅からは中央東口または東南口からが近いです。角にあるロッテリアが目印。
どんどん減っていく喫煙者のオアシスですが、珈琲西武は3Fに貴重な喫煙フロアが!タバコを吸わないわたしは2階へ。
貸し個室もあり、電源WiFiもあるという、喫茶店にしてはめずらしいノマドできるタイプですね。
新宿の純喫茶で懐かしのカレーを。〈珈琲西武〉店内
真紅のソファが艶めく店内。大きな窓ガラスのおかげでクリーンな雰囲気なので、喫茶店は入りにくいという方にも気兼ねなく入れるのではないでしょうか。
窓際の席は広い店内を見渡せて心地いいですよ。テーブルとテーブルの間隔も広いので静かに落ち着けるはず。
珈琲西武といえば、うつくしいステンドグラス。
天井のフロアシートも素敵なのでお見逃しなく。
新宿の純喫茶で懐かしのカレーを。〈珈琲西武〉メニュー
〈珈琲西武〉の人気メニューはオムライスやパフェなんだとか。今日はカレーの気分だったので、創業してカレーが登場した当時から変えていないという特製カレーライスを。
サラダとドリンク付きで1,100円はお手ごろ。インスタントではない、きちんと時間をかけて作られた懐かしくもスパイスの効いた味わい。これは好きな味…!
食後にお願いしたホットコーヒーも、「どこから食べ終わるの見てたの?」と思うくらい、絶妙なタイミングで運んでくれて、そんな気配りが嬉しかったです。
新宿はいつもどこも混んでいて、珈琲西武のような大きなハコの喫茶店ですら入れない印象でしたが、やはり今はだいぶ落ち着いています。いろいろ気をつけつつ、なかなか行けてなかった場所へ足を運ぶのには良い機会かな、とポジティブに考えています。
美しいステンドグラスを見に、珈琲西武へどうぞ。
新宿の純喫茶で懐かしのカレーを。〈珈琲西武〉店舗情報
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