• エッセイ

2022年11月23日の日記 ー サインをもらう

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昨日は1時ごろまで起きていたので眠い。

目が覚めたら8時半だった。寒さと雨で頭がぼーっとする。二度寝したい気持ちを抱えつつ、本を読む。

この1年、日記本をよく買った。どの日記も読みはじめると、本当に人それぞれいろんな事情を抱えたりしていて、それが表面上は決して見えないことに驚く。

当たり前といえば当たり前だけど、忘れがちな他人への想像力を常に持っていたい。

文学フリマで買ったいくつかの日記本を読み始めた。

書いて本にする労力(もちろん売ることや、それにまつわる事務作業なども)を思うと、「読ませてくれてありがとう」という気持ちでいっぱいになる。

なんだか会ったことのない人と友人になったかのような気分で、その人に向けて手紙を書きたくなったり、エアーハグしたくなる気持ちが湧く。自分の日記を読んでくれている人もそんな気持ちになったりするのだろうか。

朝ごはんは昨日作った鶏がゆ。うまい。冬は永遠にこれだけでいいかもしれない。

夫も低気圧にやられているのか、ぼんやりスマホをいじっている。

ようやくやめたかと思えば文庫を手に取り、ページの中に体ごと引きずり込まれたかのように集中し出す。いつか本の中から手が出てきて、ひょいっと連れ去られてしまうのではないだろうかと想像する。

出かける準備を済ませ、昨日売れた日記本を梱包してコンビニから発送する。どんな人が読んでくれるのだろうか。いつかどこかで会えたらいいな。

午後は新宿三丁目へ。今日は勤労感謝の日だから休みの人でごった返している。久しぶりの紀伊國屋書店。

くじ運もチケット運もないのに、奇跡的に抽選で当たったAマッソ加納さんの初小説出版記念のサイン会へ向かう。

事前のアナウンスによれば、「書いてほしい一言があれば、伝えていただけたら書いてもらえるそうです」とのこと。なんか大喜利みたいだ。

集合時間ギリギリで慌てたものの、会場へ着くと長蛇の列。30分近く並ぶ間に、加納さんに伝えたいこととサインと一緒に書いてほしい一言を忘れないように思い出す。

記憶しようとすると緊張しちゃうから、次はメモでも書いておけばいいのかも、と並びながら頭に浮かんだ。毎回こういうときに直前でそう思ってる気がするな。

今朝、夫を加納さんに見立てて練習してみた。全然うまくいかなかった。

もうすぐ自分の番。

遠くから笑い声が聞こえて「ラジオと一緒の声!」と心拍数が上がる。

思った以上に目がキラキラしててかわいい加納さん! 心の中で「かわいい!!」と絶叫しつつ、言いたいことを思い出す。

目の前の加納さんはわたしのヘッドドレスをジェスチャーで示して「かわいい」と笑ってくれていた。

「小説発売おめでとうございます……えっと、、、なにを言おうとしてたか忘れちゃった……」という独り言の間も待ってくれていて、「あ! 元気になる一言書いてください」と伝える。

一瞬、間があってから「食事!!」と。

書き終わった後に「こういうの後で後悔するんだよなあ」というようなことを仰って笑っていて、そういえばそんな話を前どこかで聞いたような気が。

「食事! たしかに食事は元気出ますね!」と返しつつ、「予想外の単語で返ってきた! やっぱりおもしろすぎる」と心の中で興奮して会場を後にした。

そうだそうだ、元気がなくなったらまずは美味しいごはん。

幸いなことにわたしは、1000円そこそこでハッピーになれるランチをたくさん知っているし、出かける気力もなければ、そこそこ美味しいごはんを自分で作れる。

いつものように元気が枯渇したときは、今日加納さんが答えてくれた「食事!!」という言葉を思い出そう。

めっちゃ通る声で「食事!」って言ってくれたな〜。脳内だけで録音したやつを再生しよう。

興奮でホワホワした頭のまま、紀伊國屋書店の階段を降りる。

下の階から登ってきた男性がよそ見をしながら傘を横に持っていたため、傘の先端が軽くおなかに刺さった。「横に持ったらあぶないよ」と言いたかったけれど、こういうときに声が出ないし、自分もまあまあぼんやりしていた。

書店の入口に戻り、ふと壁のタイルを見るとなんだかひとつひとつがいびつで味がある。というか、ひとつひとつのタイルが大きすぎる。

前川國男の建築、タイルにこだわってるって言ってたな。

タイルが好きになってからというものの、壁と床が気になって仕方がなく、思わず撫でてしまった。平日に来てじっくり観察したい。

お腹が空いて倒れそうだったので、地下のカレー屋へ。

カウンター席だけの「クローブ」は、目の前で作る様子が見られるのがいい。下拵えした肉や野菜をタッパーから出して炒め、サクサクと作っていた。

ラム肉のオニオンカレーが美味しくて、今まで知らなかったことを後悔。

美味しかったです! と伝えたかったものの、スタッフの方は調理中でバタバタしていたので心の中で伝える。また来ます。

新宿三丁目駅から電車に乗る。10分ほどしてから逆方向に乗っていたことに気づく。

そのままどこか近場のカフェへ行こうかと思ったけれど、雨と寒さでそのまま帰り道へ向かう。

帰宅する方向の電車に座ると、目の前の広告のキャッチコピーが目に飛び込んだ。

「間違いは、ぜんぶ伸びしろ」。

進行方向の間違いはなんの伸びしろになるだろうか。

今日は気圧のせいかすごく眠いし、早く帰ろうと思いつつ、ドトールへ。ミルクレープを食べながら測量野帳に今日のできごとを並べて書く。

文学フリマに出たときに、「日記はWEBで公開してますか?」と聞かれたのがふと浮かんだ。

「リアルタイムで出すのはなんだか気恥ずかしいし、まとめて読んでもらいたいから紙の本を作って出しています」と返した。

日記を読む側としても、どちらかというとまとめて紙の本で読む方が好きだ。

でも、たまにはリアルタイムで出すのもいいかもしれない。

そう思い直して、今日の出来事を当日に公開してみた。また機会があればやってみようと思う。

 

かもめと街 チヒロ 街歩きエッセイスト ZINE 日記 通販 決めない散歩

↑お笑いの話もたまに出てきます

 

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