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「かもめ食堂」の名台詞と振り返る「個性」を認め合う世界

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5年ぶりに「かもめ食堂」を観た。
私ったら「あの映画好き!」とか平気で言う割に、
「どんな映画?」とストーリーを聞かれると途端に説明できなくなる。
説明が苦手というのもあるし、覚えている記憶がビジュアルに偏ってるのかもしれない。

(ちなみに「かもめ食堂」で一番覚えていたのは、
大きなおにぎりと、もたいさんのトランクに入っていた大量のアンズダケ、
「わたしの荷物、まだ出てこないかしら?」だ。)

ストーリーに感動したはずなのに、
覚えてるのは「おいしいごはんは元気をくれるんだ」というくらい。

その時に感じる感受性は人一倍強い気がするけど、
感じたことを書いてでもおかないと割とすぐに忘れてしまう。

気になること、覚えておきたいことでいつも頭がいっぱいで、
つまりは脳のキャパが少ないんだ…。。。

夫に「昨日夜かもめ食堂観たよ。」と言うと、
「あぁ、あの食堂やってて、ちょっと人生につまずいてる人たちがそこで変わっていくみたいなストーリーでしょ」
と言われた。

何事も1行で説明できるようになりたい。。。

久しぶりにこの映画を観たら、
おそらく前に感じなかったことにたくさん気づけてじーんとした。

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ダメになりそうな時に逃げられる人は強い

「なにか」があってどこかに行きたくなったみどりさん。

指差した先がフィンランドだった。

「そこ」では居てもたってもいられなくなったから
「来てやりました」と、何かに憤ってるようなみどりさん。(片桐はいり)

みどりさんは警戒心が強くて、観光の時もバッグを小脇にぎゅっと抱えて持って歩く。

「かもめ食堂」最初のお客さんの「トンミ・ヒルトネン」にも、
人見知りのせいか、ちょっと冷たい態度。

毎日のように顔を合わせたり、酔っ払ったお客さんの介抱を
手伝ってもらったことで、次第に心を開いていく。

ダメになりそうな時に逃げられる人は強い、と思う。

みどりさんは、ギリギリのところで出てこられたんだ。

フィンランドに来て、サチエさんに声をかけられてほんとよかった。

ひとり海外で食堂をやっているサチエさんの姿にどんなに励まされただろうか。

そんな一見飄々としていて強そうなサチエさんも、
毎日全然お客さんが来ないことに少しだけ不安を持っていたりして。

解決策の手がかりを持ってきたのはみどりさんだった。

(みどりさんが提案したニシン・ザリガニ・トナカイのおにぎり、、なかなか厳しいものがありそう。。
ちなみに以前、北欧イベントでザリガニ食べました。エビみたいで意外と美味しかったな。)

アイデアが解決策にならなくても、その行動一つで解決策の糸口が見つかるさまがよかった!

かもめ食堂のシナモンロール…食べたい。

お客さんとして現れたマッティのことば。
「コーヒーは人に入れてもらった方が美味しいんだよ」。

「コピ・ルアック」のおまじない。

材料として美味しいものを使うのは大前提だけど、
いちばん大事なのは「美味しく淹れよう」という気持ち。

コーヒーの味の違いはあんまりわからないけど、
心がこもったコーヒーに出会うとはっとする。

気持ちはいちばんのスパイス。

20年看病してきた両親が他界して、自由になれたマサコさん。

どんな気苦労と悲しみがあったか知れないし、
他の2人と同じようにその人それぞれの背景は具体的にはわからないまま。

だけど現実の世界でも、その人の背景を全部知ることは不可能だし、
初対面の人にべらべら話すようなこともあまりない。

他人のそれぞれの事情を察して、みんなそれぞれ、
いろいろあることを認め合う優しさ。

ことばでそれを慰めたり励ましたりするのではなく、
ただそばにいること、余計に声をかけないこと、
ただごはんを一緒に食べること。

つい励ましたり、余計なことばをかけがちで、
ことばで励まされないと気が済まない人になりがちな自分を諌めてもらったような気になった。

夫が失踪して悲しみにくれるあまり、
「かもめ食堂」をいつも睨みつけていたフィンランド人のおばさん。

お客さんであり、泥棒にもなったマッティ。

どこの国でもどんな人でも、同じように悲しい人はいる。
そんな当たり前のことも身近で見ないとわからなかったりもする。

「ここに行けば自分は変われるんだ」という甘い思い込みのような自分探しの旅をしたくなる人に対して、
痛烈なメッセージのようにも感じた。

「ハラゴシラエして歩くのだ」

この映画のキャッチコピー「ハラゴシラエして歩くのだ」。
まさにそう。

どんな重たい話の間でもおなかは空くし、
おなかをみたせば、真っ暗に見えてた世界も少しだけ光が差す。

サチエさんのお父さんが作った、大きなおにぎりのように。

わたしの口癖、「ばれました?」は、サチエさんのものだったことが判明。

あんな風にカラッと明るく、人それぞれの違いを個性と認め合う人になりたい。

うん、昔よりはいい感じになれてるはず。

 

「毎日真面目にやっていれば、そのうちお客さんも来るようになりますよ。」

「来なかったら?」

「その時はその時です。」

引用:映画「かもめ食堂」より

 

「やりたくないことはやらないだけなんです。」

という言葉にもたくさん励まされた。

もちろん、「いい感じに変わっていくといいですね。」というみどりさんの言葉にも。

 

 

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