2本立ての映画を見た後、どうにも心が落ち着かなくて、ふらふらと喫茶店を探し歩いた。
そうだ、久しぶりにあの店へ行こう。
西荻窪の駅から細い路地を入ってすぐ。
〈DANTE ダンテ〉は、西荻窪さんぽの締めくくりにお邪魔する喫茶店。西荻は好きな店があまりに多くて、喫茶店なら〈物好奇〉にも〈それいゆ〉にも行きたくて、いつも迷う。
ダンテは、ちょっと変わった作り。扉を開けると、左に階段があって、少し高さのある座席からカウンターが見下ろせる。視界が広がった気になれる、その席が好き。
休館前最後の上映だという阿佐ヶ谷ユジクで、アンナ・カリーナのドキュメンタリーを観た。
大学生の頃、アンナみたいな格好がしたくて古着屋を巡り、昔のアンナが出ている雑誌を古本屋で探し回った。そんなアンナの人生を映画のワンシーンとともに振り返るドキュメンタリーは、想像以上にドラマティックな出来事ばかりで、観終わった後は放心状態だった。
〈ダンテ〉へ向かい、コーヒーを飲みながらパンフレットをめくると、スクリーン上の人物だったアンナが少しだけ身近に感じられるような作品に出会えた喜びが静かに浮かび上がってくるのを感じた。
※2021年9月追記:こちらの喫茶店は閉店しました※
純喫茶で東京をめぐる旅 vol.6 西荻窪〈コーヒーロッジ ダンテ〉店舗外観
西荻窪へ来たなら、ぜひ寄ってほしいのが駅近くにある喫茶店〈コーヒーロッジ ダンテ〉。改札を出て右にある南口から路地へ。
細い路地にはひしめくように居酒屋が並んでいて、いつも迷ってぐるぐるしちゃう…!彷徨っていたら、すぐ横をミニブタが通り過ぎて行きました。西荻…!
ロッジ、とは「山小屋」の意。山登りは得意じゃないのに、山小屋には惹かれるんだ…!
ダンテは、外から中の様子が全然見えないけど、オレンジ色の明かりがもれていて、入りたくなる雰囲気。アーチ型の窓ガラスもかわいいですね。
〈ダンテ〉は店内禁煙。以前から禁煙だったかはわかりませんが、たばこの煙が苦手な方も安心して入れます。
純喫茶で東京をめぐる旅 vol.6 西荻窪〈コーヒーロッジ ダンテ〉店内
入口入って右手にはカウンター。ずらりと並ぶドライフラワーやティーカップコレクションを眺めるもよし。
天井からぶら下がるランプは、吹きガラスで作られたような風合い。わたしの大好きな浅草の〈銀座ブラジル〉にも同じようなランプがあって、外枠に合わせてガラスが沿うように形作られていました。
同じようなものかははっきりわからないけど、吹きガラス特有のゆらめくような表面のゆがみがやわらかい明かりを落とします。
平日でもわりと混んでいて、全体像が撮れなかった…!行ってからのお楽しみにどうぞ。
純喫茶で東京をめぐる旅 vol.6 西荻窪〈コーヒーロッジ ダンテ〉メニュー
この日はホットのカフェラテを。
苦味が少なく、ミルク多めだったのでコーヒーが苦手な方も飲みやすいはず。
あまりに飲みやすかったので、お土産にブレンドの豆を200g買って帰りました。苦味も酸味も控えめで、毎日飲みたくなる味わいだったのでぜひ。
そういえば、建築好きの間で人気のドラマ〈名建築で昼食を〉のロケ地として、〈ダンテ〉が使われていて。田口トモロヲさん演じるキャラクターの行きつけで登場していました。
人気で入れなくなるのはいやだけど、画像として〈ダンテ〉の美しさが残るのはうれしい…!
西荻さんぽの際は、ぜひどうぞ。
純喫茶で東京をめぐる旅 vol.6 西荻窪〈コーヒーロッジ ダンテ〉店舗情報
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