ひとつの店が、街の風景を変えていく瞬間に出会いました。
そんな気持ちになったのは、墨田区本所に〈Marked マークト〉がオープンしたから。
店らしい店が少ない隅田川のほとりに、賑わいを見せる場所ができたことも嬉しいですし、なにより地元の人を大切にする姿勢がいいなって。
「お昼休みにも来たのに、また来ちゃった!」と嬉しそうに話すお客さんと喜ぶ店員さんを見ていたら、そんな風に思いました。
さて、そんなコミュニティーマーケットの〈マークト〉はいったいどんな場所なのか?
ざっくり言えば、「ちょっといいモノに出会える、毎日通いたい食料品店」というところでしょうか。
オープン後にじっくり取材させていただいた様子をじっくり公開します!
いや~初めて食べた枝豆塩オリーブのアイスが美味しすぎてですね、1週間たった今でも余韻を引きずっています。
墨田区本所のおすすめ。〈Marked マークト〉店舗外観
〈マークト〉があるのは、墨田区本所。
最寄り駅は、都営浅草線・大江戸線の蔵前駅から厩橋(うまやばし)または蔵前橋を渡るのがおすすめ。
あとは都営大江戸線の両国駅からが近いかと思われます。
この辺りの店は、メディアで蔵前エリアと括られがちですが、蔵前はあくまでも台東区なので、地元民としては「ここは本所」という気持ち。(面倒なこだわりですみません)
近くにはあのライオン本社があるものの、地元の方以外はあまり足を運ばないであろうエリア。
そんなところに、こんなお洒落なマーケット兼カフェがオープンしたんですもの、そりゃ老若男女喜びますって。もちろんわたしも!
この建物は、昔はおもちゃ問屋だったとのことで、「息子と一緒におもちゃを買いに来てた」というお客さんもいたとか。問屋だった面影は、店の奥にある貨物専用のエレベーターや上階への階段にも残されています。
こういう味のある建物をリノベーションして使う店、とても好きです。
ちなみに店の前にある看板は、以前カフェで使用していたテーブルの天板をリユースしたもの。使わなくなったものを処分するのではなく、新たに生まれ変わらせる姿勢は看板にも表れています。
墨田区本所のおすすめ。〈マークト〉店内
〈マークト〉が扱うものは、パンや野菜を中心とした食品に、世界各国や日本から集めた厳選食材。それに日用品なども。
カフェも併設されており、自家製サンドイッチのプレートやここで販売している食材を使ったアイスクリームもいただけます。
カフェはテーブルが4つほどの小さなスペースですが、外にはベンチもあるので、散歩の途中でさくっと休憩するのにもちょうどいいです。
店内のあちこちにある、ホーローのペンダントライトもかわいいので要チェック。
〈マークト〉のパンは、なんとパーラー江古田監修!
実は、マークトのベーカリーはあの〈パーラー江古田〉監修なんです。
わたしも大好きで、江古田へ行った時は必ず買うのですが、なにせ下町からはちょっと遠いので、ほんとにありがたい!!
この辺の美味しいパンといえば、田原町〈パンのペリカン〉ですが、いかんせんハード系のパン屋さんはあんまりないんですよね。(知らないだけかも) ガラスのショーケースには、国産小麦を使ったベーカリーがずらり。バゲットから食パン、カンパーニュなど日常使いしたいものばかり。
通常のパンより水分が多く含まれているので、もちもちなのが特徴です。
開店の12時からパンが並び始めますが、早々に売り切れる種類も多いそうで、すでに地元のお客さんから愛されています。早速購入した方は、翌日にお友達の分も買いに来たとか。
オープン日にお邪魔した際にはフォカッチャとフリュイを購入しました。
フォカッチャはそのままでも十分美味しいのですが、後で紹介するオリーブオイルと自然塩を合わせるとさらに美味しいので、「パン飲み」したいときにもおすすめ。
フリュイにはドライフルーツとナッツがたっぷり。コーヒーや紅茶と合わせて、軽めのおやつにもいいかも。
まだ出合えていないのですが、クロワッサンにはきび砂糖が使われていて、やさしい甘さが人気だそう。結構すぐ売り切れちゃうそうなので、タイミングよく見つけたらぜひ買ってみて!
〈マークト〉で食べたい、旬のアイスクリーム
そして、〈マークト〉で絶対食べてほしいのが新鮮な食材を使ったアイスクリーム。着色料や保存料を使わないナチュラルなデザートで、6種類がラインナップ。
アイスには旬の食材を使うため、季節によってフレーバーは変わります。わたしがまず注文したのは、「枝豆塩オリーブ」と「ピスタチオ」。
これが美味しすぎる!!
食べたことない味だけど食べたことがあるような懐かしさを感じる「枝豆塩オリーブ」。枝豆の香ばしさの中に、ほのかな甘さと塩味のバランスは唯一無二。
トッピングで使われているオリーブオイルと塩はこちら。
香り高いオリーブオイルに、まろやかな味わいが特徴の自然塩。サラダにかけるだけでも美味しいそうで、即購入しちゃいました。パンにも相性抜群で、出合ったことに感謝したくなる一品。
「イラニアン・ピスタチオ」は生のピスタチオをローストし、香ばしく仕上げているとのこと。これも絶品。ああ、全部食べたい……!
オープン時はこんなラインナップでした。
アイスに使う食材は、仕入れてすぐに3Fのキッチンで加工しています。
〈マークト〉では、食品ロス問題にも注力しているので、売れ残った野菜や果物を最後までどう美味しく使い切るかにも心を配っているとのこと。
また自然災害などで商品としては売れない果物を買い取り、アイスに加工することもあるそうで、キッチンでは、臨機応変に対応できるクリエイティブなスタッフの方が熱心に取り組まれていました。
実は取材でキッチンを覗かせていただいた際、とある試作品を試食させていただきました。それも初めて食べる味でとにかく美味しくて。
今後も見逃せないフレーバーが登場しそうですよ!
ベーカリーと合わせて買いたい!世界各国&日本の食材も
食材がずらりと並ぶ棚は、パンに合うものを中心にチョイス。
ジャムや、朝食で添えたいコーヒー、紅茶。野菜を美味しくいただけるオイルや調味料なども。パスタや食材、日本各地の調味料やスパイスなども揃っています。豆類やドライフルーツ、珈琲豆などの量り売りも今後行う予定とのこと。
珈琲豆は、〈マークト〉と同系列の〈コーヒーライツ〉を始め、中目黒〈オニバスコーヒー〉、日本橋〈スイッチコーヒー〉のラインナップ。
環境にやさしい日用品にも力を入れ、ショップでも使用しているエコストアの食器用洗剤は量り売りにも対応しています。
オリジナルのロゴが入ったマルシェバッグもかわいい!
有機野菜を中心としたチルドコーナー
スーパーに比べるといくぶん割高ではありますが、その分フレッシュで質の高い食材で、さっそく地元の方に喜ばれているそうです。
また、不定期で旬の野菜も登場します。在来種のオーガニックトマトの量り売りも。
〈苗目〉のエディブルフラワーを買ったことがあるので、こんなところで出合えるのもうれしい。
食材などについては、おすすめの食べ方をスタッフの方に聞いてみるのもいいかもしれません。みなさん優しく教えてくれますよ!
マークトでのランチもおすすめ
ちょっと贅沢なランチプレートも注目
フレッシュ野菜を使った自家製サンドイッチは、単品でもランチセットでもいただけますよ!
選べるサンドイッチプレートでは、日替わりデリが3種類つきます。
この日は、アンチョビポテトに味噌ラタトゥイユ、キヌアのハーブサラダ。サラダは〈苗目〉のハーブを使い、セロリやミントなどでさっぱりと夏仕様に。
言及するまでもなく、全部美味しい……。お惣菜の量り売りもぜひお願いしたいところです。
またプラスでスープセットにも。この日はアメリカの「ガンボ」というスープ。トマトベースのちょっとピリ辛スープは野菜もたっぷり。
「美味い……!」とうっとりしていたら、常連の奥さまに「それ美味しそうね。次に食べるわ」と声を掛けていただきました。
そういうお客さん同士の距離の近さも、〈マークト〉の良さかもしれません。
蔵前散歩で足を伸ばして墨田区も。
ということで、散々語り尽くしてしまいましたが、正直、あまりに素敵で人気になりすぎてほしくない(笑)!
でも、扱う食材の素晴らしさや、ここでしか味わえないアイスや自家製のパンに加え、〈マークト〉ならではの風通しのいい雰囲気は、ぜひ行って体感してほしいものです。
ちなみに〈マークト〉の由来には2つの意味が。
デンマーク語で「小さな市場」をさし、英語では「気になるもの」。
洗練されているけれど、決して飾らない日常使いしたくなるマーケットは、下町らしい人の温かさも感じられ、お気に入りの「ちょっといいもの」が見つかる場所になるはず。
墨田区本所のおすすめ。〈Marked マークト〉店舗情報
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両国方面には、本のセレクトもインテリアも素敵な本屋〈YATO〉も。ぜひ合わせて行ってほしいです!