よほど寒そうな顔をしていたのだろうか。
ハーブティーを注文した後、カウンターにいた店主さんが「よかったらどうぞ」と、ウールのストールで包まれた湯たんぽを手渡してくれた。
初めて入ったカフェで、こんな優しさに出会えるとは。果たしてここは本当に東京なんだろうか。
この日は、ほんのり覚悟を決めた日の通院で、朝から抑えきれない緊張で震えていた。避けたいけどどうしたって避けられない、最善の選択。
わたしの不安を見越してか、もともとそのつもりだったのか、最大限の警戒心や不安を取り除こうと、クリニックの先生や看護師さんは何度も丁寧に説明してくれた。
不安からくる心のバリアで、初回は口を開くだけで涙が溢れそうだったのに、いつのまにか笑えるようになっている。
「また同じ説明聞いてるな」と思ったものの、きちんと理解してから治療にあたってほしいという願いを込めてのことだろう。
その治療の始まりが近づき、ついに分厚いパンフレット一式をもらった。苦手だけど、今後を見据えたら心して臨まねば、と肩に力が入る。
クリニックを後にし、あちこちで用事を済ませた後、「せっかくここまで来たし」とGoogleマップを開く。数年前に誰かにおすすめされたカフェが近くにあった気がする。
相変わらずの方向音痴で、地図を見てそのカフェへ向かうも見つからない。「もしかして閉店したのでは……」と危惧するが、いちおう営業中になってはいる。ウロウロして諦めようとした瞬間に、路地が目についた。
扉のガラスの向こうにはオレンジの光。
カチャっと扉を開けると、バーのような落ち着いた空間が広がっていた。
緊張する用事、たのしい用事、日々の買い物などを済ませた後で、すでにヘロヘロだった。仰々しい分厚いパンフレット一式に加えて、近所の鶏肉屋での買い物もあり、両手も塞がっていた。
ようやく静かな場所で座れた安堵感。しばらくゆっくり休ませてもらおう。
そこで渡された突然の湯たんぽに、心の奥までとろけるような安堵感に包まれた。
もしも「湯たんぽ使いますか?」と聞かれていたら、遠慮して断っていたと思う。
わたしもいつかまた接客をする機会があったら、誰かに対してこんな風に接したい。そう思った。
築地のおすすめカフェ〈cafe&Bar白檀〉店舗外観
築地駅の近くに、素敵なカフェを見つけました。以前SNSでどなたかから教えていただいたのですが、だいぶ前なので思い出せず……!(もし私だよ、って方がいたら教えてください)
営業時間は15時から。午後から夜の営業がメインのカフェバーです。ドアから見える中の様子も素敵。
築地のおすすめカフェ〈白檀〉メニュー
この日はお茶した後だったので、カモミールティーを。
カモミール特有の飲みづらさがなく、すっきりと美味しい。ポットにたっぷり、うれしいサイズ感。白湯を出してくださったのも嬉しかったな。
プリンが人気らしいので、次はぜひ食べたいです。
築地のおすすめカフェ〈白檀〉店舗情報
cafe&Bar白檀
中央区築地1-5-4 横谷ビル
〈cafe&Bar白檀〉Instagram
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