浮世絵、好きですか?
わたしは数年前からジワジワと葛飾北斎の作品が好きで、いつだったか上野で行われた展覧会や長野にある信州小布施 北斎館へも足を運びました。
絵の知識はなくとも、一瞬のうちに虜になってしまう北斎の作品。
浮世絵に興味ない、という方も多そうな気がするのですが、そうではない方も葛飾北斎の作品はきっと見たことがあるかと思います。
一番有名なのは、荒々しい波を描いた「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。
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出典元:メトロポリタン美術館
世界的にも有名な北斎ですが、実は墨田区で生まれ、生涯のほとんどを現在の墨田区で過ごしたといいます。
北斎は90歳の生涯を終えるまで、なんと90回以上も引越ししたと言われているのですが、ほとんど墨田区内だそうです。
![すみだ北斎美術館 両国 葛飾北斎 観光 おすすめ 美術館 東京 散歩 下町散歩 建築 妹島和世 おすすめ 公園](https://www.kamometomachi.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG_8841.jpg)
このあたりが生誕地なんだそう。
北斎と墨田区はゆかりの深い場所なんですね。
ということで、墨田区亀沢にある〈すみだ北斎美術館〉へ行ってきました。
両国観光のおすすめ。〈すみだ北斎美術館〉施設外観
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両国にある施設といえば、〈両国国技館〉・〈江戸東京博物館〉ですが、2016年にオープンした〈すみだ北斎美術館〉も忘れてはなりません。
金沢21世紀美術館の建築家のひとりとしても知られる、妹島和世さんのデザインのスタイリッシュな外観。
ここだけちょっと浮いているというか、いい意味で下町らしからぬデザイン。それが好きです。美術館へ行くのは特別な日なので、ハレの日を迎えた気持ちになれるというか。
美術館の前には水遊びもできる公園があって、夏休みを迎えた子どもたちが服のままびしょ濡れで遊んだりしていました。いいな~。
赤と青のロープで作られたジャングルジムもあって、夫が「北斎の赤富士をモチーフにしてるのかな」と言ってましたがどうなんだろう。
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スリットが入ったような美術館の入口へ向かうと、まるで北斎の描いた世界に入り込むような気持ちに。
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両国観光のおすすめ。〈すみだ北斎美術館〉館内の感想
北斎が好きと言っておきながら、実はここへ訪れたのは初めて。近いしいつでも行けると思うとなかなか行かないものですね。
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でも、早く行けばよかった。わたし個人としては広い美術館だと情報量が多すぎて疲れてしまうのですが、程よくコンパクトで北斎初心者にはちょうどいい。見終わった後に疲れないボリューム感というか。
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しりあがり寿さんのサインもひっそり見つけた
展示室があるのは3・4Fのフロア。企画展では、2021年9月26日まで「THE北斎 ―冨嶽三十六景と幻の絵巻―」が開催中。
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北斎の人気シリーズ「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」とは、北斎が日本のあちこちから見える富士山を描いたもの。実は三十六景とうたいながら、合計46作品あります。
北斎の人気作品をチョイスした展示なのですが、初心者にやさしい解説がいい。作品の構図や見どころをわかりやすいキャプションで説明しているのが個人的に推したいポイント。
また、浮世絵の初刷りは200枚ほど擦るそうなのですが、版を重ねるにつれ、版木がすり減って細かな描写ができなくなる部分も。
そう言われると確かにそうなのですが、実際に作品を通して見るとその違いが手に取るように分かります。
今回の企画展では「富嶽三十六景 山下白雨」で同じ作品がどう変わっていくのかが見られますよ。(前期の8月22日まで)
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右下のモチーフは「すみだ北斎美術館」のロゴにも使われています。/出典元:メトロポリタン美術館
「変わり図」という、版元が後々に手を加えた作品があるのですが、元の作品が好きな方にとっては「余計なことを……」と思ってしまうかも。今でもそういう改変ありますよね~。
あれ…?今でも古本の初版の価値が高いのは、浮世絵の「初摺」と同じ感じかな…?
そして企画の最大の目玉は、北斎の名作「桜に鷹」を作るのに使われたとされる版木(はんぎ)が見られること!北斎の絵が彫刻されたものを生で見られるなんて……!版木を4面に使った火鉢の展示は初公開とのこと。
何も調べずに行ったので、この火鉢を見た瞬間にテンションが上がりました。贅沢すぎる……。隣で夫が「この火鉢欲しいね」と呟いていましたが、恐れ多すぎるぞ……!
![すみだ北斎美術館 両国 葛飾北斎 観光 おすすめ 美術館 東京 散歩 下町散歩 建築 妹島和世 おすすめ 公園](https://www.kamometomachi.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG_8845.jpg)
ベンチに貼られてたコミカル北斎
と、ざっくり感想まとめる予定がついつい熱くなってしまったので常設展については少しだけ。
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特にタッチパネルの展示で、
- 北斎と墨田区の関連性が可視化されている
- 北斎の浮世絵で遊べる
のが、よかった!
北斎が生涯引越を重ねた地域は、具体的に墨田区のどこなのか、地図と現在の写真付きで見られるの、とてもよいです。両国橋のたもとにも住んでいたのね~。
そして、北斎漫画をモチーフにしたゲームもいろいろあって。北斎が描いた柄を選んで、画面上で着物のコーディネートが楽しめたり、実際に描かれた一筆書きをなぞれたり。バラエティに富んだ北斎作品を気負いなく楽しめるコーナーも。
浮世絵に興味ない人にも、北斎漫画の変顔シリーズ見てほしいな~。印象がガラリと変わる気がします。
美術館には併設の図書室も。現在は閉室しているのですが、そこの入口あたりから見る眺めが万華鏡のようなので、ここはぜひじっくり観察してほしい!
![すみだ北斎美術館 両国 葛飾北斎 観光 おすすめ 美術館 東京 散歩 下町散歩 建築 妹島和世 おすすめ 公園](https://www.kamometomachi.com/wp-content/uploads/2021/08/IMG_8856.jpg)
と、ついつい長くなってしまいましたが、両国散歩にぜひおすすめします。
両国観光のおすすめ。〈すみだ北斎美術館〉施設情報
両国のおすすめランチ〈下総屋食堂〉へ
![両国 ランチ おすすめ 下総屋食堂](https://www.kamometomachi.com/wp-content/uploads/2020/03/shimohusaya-top.jpg)
数々のドラマや映画などでも使用された、昭和の古き良き食堂。〈すみだ北斎美術館〉からも近いので、合わせてぜひ。